BAGは[Blue Absorbing Glass (青い色をした吸収特性を持つガラス)] の略で、BAG IRカットフィルタは当社のオリジナル商品です。透明なガラスの上に赤外線を吸収する層を生成することにより、入射角依存性の少ない光学性能を有します。IRカットフィルタは、従来の反射タイプから吸収タイプを採用されるケースが多くなっています。
優位性1:低入射角依存性(低シフト)
高い赤外吸収特性により、低入射角依存性を実現できます。
優位性2:デュアルバンドパス
従来の赤外吸収型フィルタ(Blue Glass)では実現できなかった、可視光+近赤外光の2つの波長帯域を透過させる特性のフィルタを吸収型で実現できます。近赤外側を低シフトにしたタイプのフィルタもご提供可能です。
優位性3:フィルタの厚みと光学特性との自由な組み合わせ
BAGフィルタは光学特性が厚みに依存しないため、光学特性はそのままでご希望の厚みに変更することができます。
ノートパソコン(顔認証カメラモジュール用)、全天球カメラ、スマートフォン、ドローン、ウエアラブルカメラ、車載カメラ、監視カメラ(セキュリティカメラ)、DSC、DSVC、DSLR、4K・8Kカメラ 等
・斜入射特性
入射角依存によるシフトが少ないため、色の再現性に優れています。また、広角レンズで近接距離で広い範囲を撮影したい場合や、既存カメラのゴーストやフレアの改善、解決策に最適です。加えてアプリケーションの薄型化(低背化)、小型化、 軽量化に伴いモジュールも高さを抑えた設計にしたい場合などに有効です。ガラスタイプのためフィルムタイプより耐熱性に優れ、センサの熱による撮像の歪みなどに影響を与えません。
・赤外域感度
RGB-IR、RGBW対応画像センサ等、赤外領域に感度を持つ画像センサに対して相性が良いフィルタをご提案、ご提供することが可能です。
・用途事例
広角(360度)カメラの薄型化とゴースト対策
ドーム型セキュリティカメラの薄型化と高解像度化
360度カメラの画像つなぎ目の色差対策 など
1. 弊社のBAG IRカットフィルタは、すべて低シフトの特長を備えております。
2. 各製品の厚みは、標準でご用意している厚みとなります。
3. すべての製品およびサンプルの厚みは、ご要望に応じて作製することができます。
(厚みは0.1mm~1.1mmまで、それ以外の厚みもご相談ください)
4. 厚みが変わっても、光学特性は変わりません。
機能別 | シリアルNo. | 型番 | 透過帯域・特性 | 標準厚み |
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UV/IR カットフィルタ | BAG-001 | GX0034B | 415nm-640nm | 0.21mm |
BAG-002 | GX0044B | 415nm-650nm | 0.10mm | |
BAG-003 | GX0083B | 400nm-650nm | 0.21mm | |
BAG-004 | GX0086B | 415nm-640nm | 0.10mm | |
APF-001 | GX0070B | 400nm-655nm | 0.30mm | |
デュアルバンドパスフィルタ(UV/IRはカット、近赤外はバンドパス) | BAG-005 | GX0039B | 400nm-650nm-850nm (標準仕様) |
0.21mm |
BAG-006 | GX0097B | 400nm-650nm-850nm (近赤外側低シフト仕様) |
0.21mm | |
BAG-011 | GX0122B | 400nm-650nm-850nm (近赤外側低シフト仕様) |
0.145mm | |
APF-002 | GX0127B | 400nm-655nm-940nm (標準仕様) | 0.50mm | |
バンドパスフィルタ | BAG-009 | サンプル | 850nm (近赤外側低シフト仕様) |
ご相談ください |
BAG-010 | サンプル | 940nm (近赤外側低シフト仕様) |
ご相談ください | |
IRパスフィルタ | APF-003 | サンプル | 812nm (低シフト仕様) | ご相談ください |
当社ではBAG IRカットフィルタ以外にも、IRカットフィルタ(反射タイプ)、ARコート、バンドパスフィルタなど、様々な光学薄膜の設計から製造、販売まで行っております。
蒸着成膜からダイシング加工、検査まですべてクリーンルーム内での一貫ラインで生産することにより、高品質の製品をご提供いたします。
スクロールで図全体をご覧いただけます。
タイプ | 反射タイプ IRカットフィルタ | 吸収タイプ IRカットフィルタ |
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膜構成 | 誘電体多層膜により赤外光は反射し、可視光帯域は透過する特性のフィルタ | 赤外線吸収膜層を形成し、吸収により赤外域をカットするフィルタ |
特徴 | 入射角依存が比較的高く、赤外側半値が大きくシフトする | 反射タイプに比べて入射角による半値シフトが少ない。 現在ではスマートフォンなどの高画素カメラモジュールのほとんどのIRカットフィルタに採用されている |
ポイント | 低コスト | 高機能 |
当社の吸収タイプのIRカットフィルタ(BAGフィルタ)は、反射タイプのIRカットフィルタに赤外吸収層をコーティングし、従来のBG(Blue Glass)タイプなどと同等以上の光学特性と強度を持った光学フィルタです。
IRカットフィルタとは、一般的に「赤外線カットフィルタ」、「光学フィルタ」、「オプティカルフィルタ」などと呼ばれ、スマートフォン等に搭載されるデジタルカメラモジュールの構成部品の一つです。
カメラモジュールの基幹部品であるCCDやCMOSと呼ばれる半導体イメージセンサは、人間の目に見えない赤外線までも認識するため、そのままを画像にしても普段目にしている色彩にはなりません。
そこでIRカットフィルタをCCDやCMOSの前に取り付け、光の波長帯から余分な赤外線をカットすることで、より人間の目で見たものに近い画像にすることができるようになります。
ARコートは、低屈折材料の物質と高屈折材料の物質を交互に積層し、干渉現象により反射を抑え透過率を向上させるコーティングです。 光透過率のアップ、映り込み防止などに役立ちます。
当社では、ARコートの設計からサイズカットまでの一貫ラインを構築しております。
【膜設計 → IR膜蒸着 / AR膜蒸着 → ダイシング → 梱包・出荷】